【09】雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ

その日は台風が接近していました。そうです。台風上陸記録を更新した2004年、 房総半島を暴風が襲ったあの日です。しかし、我々は物件を見に行くことにしました。車なら何とかなるでしょう。 車ごと飛ばされたら運が悪かったということで。脳内BGMはもちろん、ヴァン・ヘイレンのHuman Beingで。

この日のメニューは
・車の行けない分譲地
・用水路の近くの分譲地
・高台の分譲地その1(農地近く)
・高台の分譲地その2(まさかここになるなんて)
でした。

よりにもよってこの悪天候の中盛りだくさんです。無謀です。 しかしモタモタしていては土地は見つかりません。こっちも必死なんです。

刻々と風雨が激しくなる中、車を千葉へと走らせました。現地は思ったよりも 激しい暴風雨に見舞われていました。やっぱりちょっと無茶だったか…。 とはいえここまで来て引き返すわけにもいきません。そのまま敢行しました。

…やはり家でおとなしくしてろということなんでしょうか。かなり近辺まで来ているはずなのに 1件目の土地が見つかりません。目印となる店はあるのに見つからない。不動産屋さんにも 散々電話して道を何度も聞いているが見つからない。 そうこうしているうちに日は暮れてしまい、真っ暗になってしまいました。 こういうのってほんとイライラしますよね。次車買う時は絶対ナビ付けてやると 心に近いつつ、今そんなこと言ってもしょうがないのでウロウロ、ウロウロ…。

この時間のこの天候で土地を見に行く人なんていないんだろうなぁ。

しょうがないので不動産屋さんに 電話でナビをしてもらいながら1ブロックづつ車を進めました。 (注:ちゃんと車を停めてから電話しましょーね。くれぐれも運転しながらは電話しないでくださいね。捕まっちゃいますよ♪)
不動産屋さん:そこをまっすぐです。
貧乏パパ:え?道がないですけど。
不動産屋さん:いえいえ、ありますよ。消防車が通れるくらいの道はあるはずです。
貧乏パパ:(ん?もしかして違う道かな?)
といった会話をしながら車を前に進めていったところ。いや、道がありました。
が、車は到底通れません。いや、地図上は通れるのかも知れませんが、垣根が
思いっきりせり出して、歩行者がすれ違うのが精一杯です。

消防車だったら無理やり突き進むんでしょうか。まるで氷を砕きながら走る 氷上船のように。

しかし、これは日常的に車が出入りするスペースじゃないです。やっぱ。

もはやこれは「進入禁止」です。

しょうがないので妻が暴風雨の中現地をちらっと見てきましたが、車が 通れない時点でNGです。やっと見つけたけど無理なものは無理です。

お次の2件はお互いが近くにある物件でした。1件は高台にあるかなりの 数の分譲地の一区画です。もう1件は用水路が近くにある6件ぐらいの分譲地の1区画です。 ここで何度もさっきから道を聞いていたのが心配になったのか、はたまた道案内がいいかげん面倒くさくなったのか、 この悪天候の中、不動産屋さんが案内に来てくれることになりました。感謝。

用水路の土地には我々が先に着いていたので、先に見ていました。ちょうど この頃台風が小康状態に入り、その物件は割と落ち着いて見れました。 ほどなく不動産屋さんが到着し、その物件の概要を説明してくれました。 その分譲地はすでに1件が建てはじめていて、木造の構造体が立ち上がっている 状態でした。しかしこの雨の中木造の構造体が雨ざらしとはちょっと厳しい状態ですね。 その近辺の雰囲気は悪くはなさそうでした。用水路が近くにあるけど大丈夫かな? ぐらいで、それ以外はあまり気になることはありませんでした。この「用水路のほとり」物件は いったん候補にしました。

次に近くの「農地の高台」の物件を見に行きましたが、また風雨が激しくなってきて、 あまり落ち着いて見ることはできませんでした。

そして最後の高台の物件は前の2件から若干離れた 場所にありました。途中坂を登っていく物件で、物件自体は道からちょっと 入った「行き止まり」にありました。この時はかなり風雨が激しく、またあたりも 暗かったので、あまり様子がわかりませんでした。坂を上らないと行けない という印象だけが残りました。

そんなこんなで、嵐の中の土地見学は幕を閉じました。行って意味が あったのかどうか…。

この嵐の見学会を経て、候補は2件となりました。

1件は「公園がボクの庭」(公園のすぐ裏の物件。)
もう1件は「用水路のほとり」(用水路の近くの物件。)

「農地の高台」(1件目の高台の物件)は日当たりなどがあまり良くなさそうでした。 分譲地の一角なんですが、周りの家が庭なども何も間にない感じで びったりくっついているので、日当たりなどが気になったのでパス。

「行き止まり」物件は途中で坂を上がっていくのが気になる。という理由で候補からはずれました。

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